せつない想い3
ぎごちない走りの白いスクーターは…
夕暮れの街、速度を上げて帰宅を急ぐ車の流れの中で、幾分戸惑う様な素振りで道路の左端を走って行くのは、僕の友達の乗った白いスクーターだ。若い頃には結構美人でわがままだった彼女も、結婚そして離婚、不倫の果ての刹那から、大変辛い努力をしながらも次第に立ち直りつつある証拠が、最近買った「白いスクーター」での夕暮れのお出かけなのだ、まだCDショップやショッピングセンターなどに寄って、カフェのテラスでちょっとだけお茶をして誰とも話さずに帰って来るだけだけど、いずれはコスメショップで以前のように化粧品を買いに行きたいって上目使いにはにかみながら話す彼女は、今スクーターに乗って、交差点で立ち止まる僕の前を通過して、夕暮れの街の中に赤いテールランプを輝かせながら消えてゆく。
投稿日時: 金 - 6月 11, 2004 : 09:47 午前 前の記事: 次の記事: