せつない想い1 


地下鉄の彼女は…
 

人影もまばらな深夜の地下鉄の車内で小さい背中を丸くかがめて技術書を読んでいる彼女は、小さな会社でシステムの仕事をしている。学校を出てすぐに、学生時代の友達の紹介で知り合った男と結婚して、初めて行った遠くの町で、ほとんど働かない男からの暴力と性的な虐待のために、心に大きな傷を受けて別れて出て来たこの街で、こわれやすくなった心を支えてくれる人を探している。これまでいつでも男はいて、その時々に支えてくれていたとは思うのだけれど、結局は永くは続かないと何時でも思っていて、その通り永くは続かない。気がつくと友達も居ないし、友達を作る気もない。いつでも周りに振り回されるくせに、周りに溶け込む事を恐れている。毎日歩いている街に幾分の恐れを抱きながらも、自分を支えてくれる人を探して、今日も一人深夜の街を地下鉄で運ばれて行く。 

投稿日時: 金 - 6月 11, 2004 : 09:44 午前       前の記事:   次の記事:  


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