量販店の秘密
まあ秘密と言ってもいまさら誰でも知っているお話ですが、最近の大手カメラ系量販店や郊外型家電量販店などを回ると、値段が1円単位まで同じな事にお気付きの方も多いと思います。またポイント還元系の店ではそのポイント分が価格にきっちりと上乗せされてる商品群(デジカメなど)が有るのが実感されていると思います。はっきり言ってお買い得感が大幅に薄れてきているような気がするでしょう。
ではなぜこのような事態が起きたのでしょうか。それは「販売の主導権を量販店が握ったために、価格決定の主導権を失ったからです」。
えっ、なんか変な理屈だなあ、だって販売の主導権を握ったのなら、なんで値段を下げられないの?って思っている人が多いでしょう、ではバブルのころのようなお買い得な商品をなぜ見かけなくなったのでしょうか。それは、その当時の流通構造について考察する必要があります。
もともと、現在の家電量販店の多くは地方の小さいショップから始まったり、現金問屋系だったりした訳ですが、それらのショップの目玉はもともと「型遅れ商品」と「型落ち寸前商品」によって支えられていたのです。当時までの日本のメーカーの姿勢は全てのジャンルの商品を広くカバーして大量に生産して、系列のショップを中心に販売台数に応じたバックマージンを還元して売って行くという「販売戦略」をとっていました。この販売方法では、店頭に置いてもらう台数が販売数に直接に結びつくと考えられていたので、新製品を大量に予測生産して、販売店に置いてもらい、最終的に残った商品は仕切りを下げて出荷していました。また販売店も、製品を大量に仕入れる事による「バックマージン」をあてにして、最初から販売出来る数量を超えて発注をすることで、余剰になった分の製品を裏で量販店に流すことで、目標となる利益率を確保していたからです。実際、商品を最初だけプロパー価格で販売して、次の製品が登場する前までに次第に販売価格を下げて行き、最後にはディスカウントセールの目玉にして貰って売り切る戦略では、販売期間を通した全体の利益が確保できれば良かったのです。また、カメラ系の量販店では、メーカーが売れ残った商品を目玉セットに再パッケージングして大量に持ち込んでくるのが慣例となっていました。これらの横の流れの商品を力として量販店は成長してきた訳ですが、自身が流通の主導権を握った現在では、メーカーからの直接仕入れにより、それまでのショップと同じ立場に置かれてしまい、結局の所メーカー主導の価格体系に組み入れられてしまったのです。さて一方メーカーの側にも大きな変化が訪れています、それは「生産予定数量の下方見積」です。これは簡単に言えば「売れそうだと思う量より少なめに生産する」という事です。なんか変でしょう、これが販売予測が的確なおかげでそうなったなら偉いのですが、実際は「販売部門」が販売実績が目標を下回るのを恐れて、始めから目標を低めに設定して生産し、常に目標を達成出来るようにしたトリックなのです。パソコンなどは全ての製品を海外のメーカーにロットで生産を依頼している現状では、ほぼ4半期毎の発注時に少なめに生産予定をたてておき、不足するとその穴埋めはしないという作戦です。ゆえに新製品発売前の一時期、店頭から商品が薄くなる事も多いのです。おかげで納期はそこそこだが、「受注分」だけ「海外でオンデマンド生産」している「外国系直販メーカー」に大分シェアを食われてしまい、国内メーカーは「パソコンの家電化」にシフトしているのが現状です。この様なメーカー事情もあり、お買い得商品が供給されない現状では、生産量の少ない人気商品を各社で奪い合っているわけで、価格面での差はほとんど無くなってしまいました。また各社出店攻勢を掛けていたころは、新規店舗分の在庫発生による仕入れの増加が評価されて、資金面でも楽に運用できましたが、出店が飽和状態になってきた現在では、全社的な在庫の圧縮が最大の課題となっていて、ほとんどの商品の在庫を最短期間に調整するようになっています。おかげで自社内でも展示品でも無い限り、それほどの目玉商品は確保出来なくなっています。
さて、それではお買い得な事は全くないのでしょうか、いえいえ、普段から良く販売店毎の商品サイクルなどの特徴を掴んでおけば、少量のお買い得商品を確保出来る確立が高くなります。
また、こつはかならず値切ってみる事です、一般に「家電系量販店」は値切りが可能です、はじめから他店を意識して多少価格を高めに設定している場合が多いからです、必ず値切りましょう、しかし、しつこく値切るのは無駄です。価格面では2押しまでで、それからは作戦を変えて併せ買い値引か、おまけ戦略で行きましょう。あともうひとつのこつはまず一番安い物はどれなのかを聞きます、そうすると販売員としては一番安いものより少しでも上の商品を売りたいので、本命に色気を見せれば価格面で多少は譲歩してくれる場合が多いのです。またお店の人の薦める商品は「売れ筋」というよりは「売りたい筋商品」なので利幅がある程度あるので、これも値切っておきましょう。なんども言いますが、相手がせっかく一生懸命まけてくれているのに、原価を考えないしつこい値引要求は嫌われる元です。普段から相場を把握しておいて自身の納得出来る価格ならさっさと買い、だめなら、「高いから今回は無し」とはっきり言って名刺だけ貰っておきましょう、次回に期待です。なお「カメラ系」の量販店は値切れる店と値切れない店があり、「パソコン系」は値切れないのが普通です。最後に、各店共通のチラシが入るセールは掲載の目玉商品の一部以外は、お買い得が少ないのです。どちらかと言えば普段の雨の日の午後にでも値切った、店長決裁価格の方が安い場合が多いです、ご注意下さい。
投稿日時: 火 - 6月 22, 2004 : 09:19 午前 前の記事: 次の記事: