最後の声 


もっとも好きなミステリーシリーズ...
 

最後の声(原題 ダイヤモンド・ダスト)
ピーター・ラヴゼイ著
ISBN4-15-208540-1
早川書房から定価1900円+税で発売中。

はっきり言って海外ミステリー好きである。最近はほとんどの人が海外文学を読まない。以前お勤めをしていた頃の同僚達の読書とは、「NHKの大河ドラマの原作本を放映に合わせて買って来て、上巻だけで後は読まない」とか「赤川次郎の軽いミステリーを飛ばし読み」が習慣で、海外文学は「名前が覚えられないから嫌だ」とか「なんか難しそうでねえ」などといって敬遠していたものだが、その彼や彼女達が親となり、とうとう中年も若者も読書の習慣は全くといってほど無くなり、今や「読書」いわんや「海外文学」を読む事はある意味「上流のクラス」に属した人間か「芸術系」に属した人間だけの奇妙な行動ともとられる時代となった訳で、一般の書店ではまずこのような本を見かける事は無くなった。
この本もわざわざ神保町の三省堂まで出向いて購入してきた訳で、地方暮しは大変なのである。
さて、本書は英国のミステリーの名手「ピーター・ラヴゼイ」のダイヤモンド警視シリーズの最新刊である。第一作の「最後の刑事」以来、途切れずに翻訳刊行されているこのシリーズの魅力はイギリスの地方都市である「バース」を舞台に起きる難事件の直面する主人公の人間的な苦悩とイギリスの抱える社会的問題、描かれる地方都市のディティールなど、さすがに「ピーター・ラヴゼイ」とうならせられるものがあります。今回は主人公の妻の殺害という主題のせいか、いつものユーモアが幾分影を潜めていますが、難しい立場にたたされた「ダイヤモンド警視」の決死の捜査にはぐいぐいと引き込まれて読んでしまいました。次回作が楽しみです。 

投稿日時: 木 - 6月 17, 2004 : 09:34 午前       前の記事:   次の記事:  


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